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2016年5月

2016年5月26日 (木)

アメリカガラスメーカーの動向について

すでに各方面で話題になっておりますのでご存じの方も多いと思いますが、アメリカのガラスメーカーの一部についてこの数ヶ月にあまりにたくさんの事柄が並行して起こりましたので、現在までの状況を項目整理してお伝えしたいと思います。

1)【ブルズアイとウロボロスの一部ガラスの生産休止について】

オレゴン州ポートランド市において、この2月に規制基準値以上のヒ素が検出された件に端を発し、同市のガラスメーカー2社(ブルズアイとウロボロス)が大規模工場と同じような排気フィルターの設置を義務づけられる事態となりました。

そのため、両社はフィルター設置が完了するまで、指定された素材を使う色ガラスの生産を中止しています。対象になっている金属はカドミウム、ヒ素、クロムの3種でこれらは赤黄色系、緑系、白系の一部に使われています。

これらの色ガラスはフィルター設置後に生産が再開される見通しで、ブルズアイ社では9月、ウロボロス社では年内の設置完了後の再開を見込んでいます。

2)【スペクトラム社の廃業(生産中止)について】

5月中旬、ワシントン州シアトル郊外のウッディンビル市にある、世界で最大級の色板ガラスメーカーであるスペクトラム社の廃業が発表されました。これは前述の環境規制には直接関係なく、主な閉鎖理由は財務状況の悪化によるものだとの発表です。スペクトラム社は、今後7月頃まで操業を続けて既注文分を生産し、その後は在庫処分に入るとのことです。

現在の所、会社全体を引き継ぐ(買い取る)者が現れたとの報告はなく、スペクトラム社の板ガラス製法は特殊だったため、同様のテクスチャーや流れのある板を代替生産するメーカーが現れるとは考えづらいところです。

同社が生産していたシステム96の板ガラスについては、共同生産をしていたウロボロス社が全面的に引き継ぐ考えを表明していますが、従来のスペクトラム製独自の流れやフラットさを再現することは考えていないようです。

なお、ナギットと呼ばれるホットワーク向けのシステム96のカレットについては、スペクトラムでの生産期間が9月まで延長される他、ホットワーク系の米国業者が代替又はライセンス生産を模索しているようです。

ステンドグラス用板についての情報は今のところありません。

3)【ブルズアイ社の生産休止追加について】

スペクトラム社の廃業発表があった翌週の5月19日、順調にフィルター設置を進めていたブルズアイ社に対して、突然オレゴン州知事から10日間の着色金属のほぼ全面的使用中止命令が出されました。

この命令にはいままで規制されていなかった着色材まで含まれることとなり、規制当局(DEQ)とミーティングを重ねて協調体制を取ってきたブルズアイ社にとっては、まさに裏切り的な規制の拡大解釈ともいえるものです。

この命令は、科学的根拠のない知事の過剰反応により下されたものであり、さらに悪いことに知事自身の判断で延長が可能なものです。

この命令にはブルズアイ社の80%ものガラスの生産停止が含まれることになり、フィルターの設置が完了して汚染金属が排出されないことが確認されるまで、ほとんどの色ガラスは生産できないことになります。

いまのところ、全世界的にガラスアーティストたちからの反対意見が挙がっていますが、行政当局は命令を撤回するには至っていません。この使用中止命令は5月29日まで続きますが、前述のように延長される可能性があります。

なお、この命令はブルズアイ社に対して出されたものであり、ウロボロス社が対象になっているという情報は現在の所ありません。

以上の状況から、年内以降のガラスの入荷状況については一部予測が出来ずに不透明となっています。

当社と致しましては、複数のルートを使用して在庫の確保に努めますが、一部納期や価格に影響する場合がございます。関係者にはご理解を賜りますようお願い申し上げます。

2016年5月23日 (月)

【BCGキャンペーン!フュージング用クリア(BuFD1101)セール】

ブルズアイ社のキャンペーン【Buy Clear Glass!】="BCG"に協賛して当店ではクリアのダブルロール3ミリのパック販売を開始しました。

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2016年5月14日 (土)

COE90および96の一部のフュージング用ガラス材、ステンドグラス用色板ガラスについてのお知らせ【第三報】

すでに初報第二報でお知らせした件ですが、アメリカ当局の判断を受けて、ブルズアイとウロボロスは、フィルター設置に向けて動き始めています。

本格的な生産再開までは時間差が出てくると思いますが、両社とも前向きに事を進めているようです。

一方、先週末には大変ショッキングなニュースがアメリカから届きました。ポートランドの環境問題も微妙に絡んでいる事柄ですので、ここでひとくくりにお知らせいたします。

アメリカ最大手の色板ガラスメーカーであるスペクトラム社は、近日中に生産を停止して廃業する予定であることを正式発表しました。

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今回の同社の発表では、主な廃業理由を2つ挙げています。

1)ステンドグラス板業界の黄金期の生産量の40%しか稼働できなくなり、単純に売上げが固定費をカバーすることが出来なくなった。

2)今回のEPA米国環境局の法解釈の変更により、将来発生しうる潜在的な設備投資リスクを取ることがもはやできなくなった。

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もともと経営的に苦しかったところに環境問題が起きたので背中を押されたような形になったというところでしょうか。

というものの、スペクトラムのあるワシントン州では1990年代にすでに厳しい環境規制が課せられており、スペクトラム社はすでに清浄フィルターを備えて工場を稼働させていました。事実、調査ではスペクトラム社の周辺土壌からは基準以上の汚染重金属は検出されていません。

最大の理由は売上の激しい落ち込みというのが今回の見方です。

色板ガラスメーカーの巨人が退場することになり、各方面に様々な動揺や憶測が飛んでいますが、いまのところメーカー発表以外に確実なものは入ってきていません。

スペクトラム社では、ステンド用色ガラスの他にもフュージング用のシステム96、ホットグラス向けのナゲット、建材向けの透明のテクスチャーガラス(型板)などを生産していました。

同社では生産の引き受け手を探しているところではありますが、同じ規模で再開してくれる(丸ごと会社を買い取ってくれる)企業や個人が現れるとは考えづらいところです。

この状況を受けて、SYSTEM96を共同生産するウロボロス社からは、自社のフィルター設置の目処が付き次第、システム96製品の生産を引き受ける考えが表明されました。
ウロボロスではフリットパウダーやストリンガーヌードルと一部の板ガラスを担当生産しておりましたが、これをいままでスペクトラム社で作っていた色まで拡げて生産するという意思を表明したものです。
システム96だけでなくもちろん従来のモトルガラスなども生産を軌道に戻すと併せて表明されています。
ウロボロス社からのアナウンスは今までやや悲観的だったため心配していましたが、ここにきて前進する姿勢を見せてくれて、うれしい限りです。

同様に、板ガラスの生産を引き受けるところが出てくるのかどうか、注視していきたいと考えています。

スペクトラム社自体の在庫や卸代理店の在庫は豊富で今日明日にガラスが枯渇するわけではありません。スペクトラム社では、この発表後も60~75日(その後の追加発表でさらに数ヶ月)の期間生産を続けて在庫を販売してゆき、できるだけ市場へのインパクトを和らげて行く方針だと述べています。

当店では、引き続き情報の収集にあたるとともに、流通在庫のある限り、通常価格でのご提供を継続させていただきます。

2016年5月 5日 (木)

COE90および96の一部のフュージング用ガラス材、ステンドグラス用色板ガラスについてのお知らせ【続報】

3/3付けで初報を記したこの件ですが、板ガラスメーカー2社からはコメントが出ています。

ブルズアイ社Bullseye Glass installs baghouse(英文)

ウロボロス社Environmental update Apr.14.2016(英文)

また、日本国内輸入代理店であるがらすらんど社からのアナウンスが5月1日に出ました。(以下「」内原文のとおり、斜体字は当店注記)

「ウロボロス社及びブルズアイ社の状況に関して正式な回答は出ておりませんが、製造する際に有害物質を排気する恐れがある色のガラス(赤・黄・オレンジ・緑・黒)は依然として(在庫用製品を)製造出来ない状態となっております。製造を再開する為にはより高機能なフィルター等を設ける必要があり、この工事に入りますと一定期間ガラス製造が止まってしまう可能性がございます。又、現時点で在庫がある該当色のガラスに対して出荷制限や値上げを行っている為当社(がらすらんど社)の次回入荷枚数も限られ、価格ランクの変更を行わなければなりません。当社(がらすらんど社)といたしましては皆様の作品製作に支障をきたさぬようその他のガラス(ヤカゲニー・オセアナ等)にて補って参りますので、何卒ご理解下さいますようお願い申し上げます。」

当店が把握した現地の状況は以下の通りです。

  • 当局の新ルールと新解釈により今後はフィルター設置しない場合は両社とも該当するガラスの生産が再開できないこと
  • ブルズアイ社では4月に試験窯に対してフィルターを設置し排出試験を開始したこと
  • ウロボロス社では、環境コンサルタントのアドバイスの元、設備に対する当局との合意と資金の確保ができ次第フィルター設置を開始する意向であること
  • 現地報道により、ブルズアイ社では試験フィルターが良好に機能し諸事順調に進んだ場合は7月から8月を目標に20数基の熔解炉に対して同様のフィルターを設備する意向であると報じられていること

現段階で確認できていることは以上です。

引き続き状況が動き次第又お知らせいたします。

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